前に書いた記事の書き直し。
新卒のとき、2度労基に行った。正直労基に行くより、もっといいやり方があったかもしれないと今振り返ると思います。もし過去に戻ってやり直せるなら、残業代不払いは2年に渡って請求できるからまずは文句は言わず2年勤めて、その間に社内業務の改善に努めていたと考えます。
当時はいいキャリアが築けるかもと期待して入ったのに、一気に絶望の縁に立たされた気分でした。その絶望から立ち直ろうと記事を書いて他の方から助けを求めました。
ある日、経営者の方に合う機会があってこんな話を聞きました。
「最低でも給料の3倍ぐらいは会社に貢献してほしい」
会社を維持するにはいろいろお金もかかる。それらを払うには給料の三倍は払ってほしい。成果を出していない新人に教育をすることって経営者からすると、とてつもない賭けです。
つまり研修している間に労基に行くなんて、向こうからしたらモラルの欠如という見方もできます。もちろん労働者である以上、法に守られるべきだし、新人なんだからお前に法は適用されないってのは違う。ただ、当時の労働者の僕は他に良いやり方があったと。
当時に比べたら視野を広く持てるようになった気がするので反省も交えながら書き直そうと思った次第です。それではどうぞ。
ほぼ当時の文章を残しています。
目次
- 残業代が出ないって本当ですか?
- 本当でした~!
- 労働条件相談ほっとラインにかけてみる
- データ集め
- 初労働基準監督署
- 動かぬ労基
- 残業0.5時間...?
- 2回目の通報、話は聞いてくれたものの・・・
- 今後
- 反省会
残業代が出ないって本当ですか?
2019年4月1日、僕はある会社に入社しました。新入社員は僕一人だけ。
「初めまして。これから貢献できるよう頑張りますのでよろしくお願いします。」
と何も面白みのない挨拶で朝礼は終わりました。そのあと部署ごとに挨拶をし、配属された部署で諸々設定を行いました。
落ち着いたころに
「△くんが○○ってところ行くからついていきなよ!」
と言われ、ついていくことに。(△くん:先輩)
その車内でのにて
「どうですかこの部署、いい感じですか?」
「いや、外れだよ」
「えぇ・・・ここにいる方雰囲気いいですし、話しやすいのにダメなんですか・・・?」
「忙しい時、月60時間残業してたし、うち営業手当出たら残業代でなくなるからね・・・。」
・・・ゑ・・・?
・・・終わった、俺の社会人生活が終わった・・・はい人生おわおわり・・・。
終
制作・著作
━━━━━
ⓃⒽⓀ
となるのがこれまでの自分。家に帰って「あぁ、これからの人生こき使われるのか・・・」と考えていた時に
・・・これブログの記事にするか。
という考えが頭に思い浮かびます。まず残業代がでないってアウトだし、仮に見込みだとしても超過分は支払わなきゃいけないってTwitterで見たぞ!知ってる!残業代払うようになったら、会社としても残業させたくないから残業も減るでしょ!僕天才!
その日からどうやって訴えればよいか調査に燃えていました。
調べるうちに就業規則で「営業手当が残業何時間見込み」なのか書いていないので、ここの規則のせいで残業代未払いでも社内では許されているんじゃね?という結論にたどり着きました。
本当でした~!
翌日、ある方に呼ばれ諸々書類書いていました。その書類にありました。営業手当の4文字。
つ「この営業手当って何時間残業みこみですか?」
あ「・・・いろいろ込々の手当だよ、あと君今タイムカード切ってるけど入社3か月後は退勤は切らなくていいからね。」
はいアウト~!
残業時間も把握させないのか、分かったぞ。(他の人のタイムカードを確認しましたが退勤時刻は押されていなかった、なんでみんなクレームつけないんだ・・・。)
罪を許しなさいと言っている神もこれには迷わずドロップキック。どうやら残業代を払わないのは本当らしい。
念のため就業規則を確認しましたが、何時間込みとは書いてなく、金額だけしか書いてませんでした。来た!飛ぶ鳥を落とす勢いとはまさにこのことか!
労働条件相談ほっとラインにかけてみる
勢いで労基に通報してやる!
と、労基に行く前に念のため相談相手が欲しいですよね。労働条件相談ほっとラインというものがあります。こちらで労働条件の相談(通報まではしてくれない)に乗ってくれるので最初にかけた方がいいと思い、かけました。
0120−811−610 で平日は17時~22時、休日は10時〜17時にかけられるそうです。
かけるとやる気のなさそうな方が応対してくれました。要約すると
1.その手当はいろいろな点でアウト
2.まだあなたに営業手当が出ていないから通報はかなり厳しい
3.他人のデータを使うんだったらその人がいけ
4.営業手当に見込みがついてないか徹底的に調べてね
・・・その通りですよね。3番目に至っては正論すぎる。ともかく問題点としては
・まだ自分に営業手当が出ていない、つまりまだ被害者ではないので労基が対応できるか危うい
・被害が出ているのは他の人、その人のデータを使うのであればその人の名前が会社にばれる可能性もある
ということ。さっきの自信と違って入ってまだ何日もたっていない僕のために一緒に身を投げる人なんているのかなぁ、と不安と孤独に襲われてました。
データ集め
ってことでデータの協力してくれそうな人から声をかけたのですが、入社して一週間も経ってない人に協力したいとは思わないですよね。案の定協力してくれる人は誰一人いませんでした。協力者0人。
お金手に入るかもしれないし、みんな協力するでしょ~という微かな望みは儚く消えました。
初労働基準監督署
ってことで行ってきました。労基。
入口の近くの人に「・・・すみません、会社の残業未払いで通報しに来ました」と言ってバトルスタート。
・・・だったのですが結論から言うと相手にすらしてくれませんでした。何が駄目だったかというと
1.まずお前は被害を受けていない、被害、つまり未払いが発生してから来て、どうぞ。
2.営業手当を定額残業代として主張して会社側が勝った例がある、今回もその例に該当する可能性がある
3.分単位で残業代を請求するのは厳しい
ですが
・タイムカードを打刻しないのはアウト
らしいです、ただ明確な被害が確認できていないので今回は動けないということです。
動かぬ労基
いろいろな方々から意見を頂き、メールで通報したのですが動くことはありませんでした。
通報フォームはこちら
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/mail_madoguchi.html
労基で聞いた話をまとめとく
— ミズノ (@801ol) 2019年3月27日
1:4月から残業時間の上限規制ができる
2:内部から情報提供してもらえれば労基は動ける
3:情報提供は匿名でもできるがその場合効力は弱くなる
4:うつなど具体的症状が出た場合は労基が即効動く
5:外部から情報があっても内部からの訴えがないと労基は動けない
この方がおっしゃるとおり、当時被害者は本人ではなかったからでしょうか。
メールでの通告は失敗です。
残業0.5時間...?
ある日1時間ほど残業をしました。「これで払われなかったら労基チャレンジしよ」と野望を胸に退社をしました。この残業が吉と出ます。
時は過ぎて給料日を迎えました。残業代はどうなっているかな~と給与明細をみると
残業時間
0.5
0.5?
0.5!!
労基に行く証拠、ゲットしました。まさにマリオカートで2位でキノコが出た時の気持ちでした。行くしかない。0.5時間で凸るのもケチだなぁと思いつつ、証拠は証拠です。
(一度ここで「なんで残業時間が減っているんですか」って会社に相談するべきだったかもしれないです。頭にイカ墨でもかけて一旦冷静になるべきでした。)
2回目の通報、話は聞いてくれたものの・・・
後日道が混んでいて時間オーバーしたものの、話を聞いてくれました。労基の方ありがとうございました。労基の皆様に幸せが訪れること、残業代が出ていることを祈っております。
ってことであらかじめ何を話すか記したメモを用意し、話をしました。
話は
・残業時間が少なく出る
・試用期間が終わると、タイムカードの退社時間を押さなくなり、残業代が出なくなる、また人事部が適切な労働時間の管理をしていない。
の2点です。以下内容です。
「...どうされました?」
「すみません、残業代の未払いで通報しに来ました。」
「うち定時5時なのでもう閉まるんですけd」(一応17時15分までやってる)
「そこをなんとか、 お願いします。」
「・・・上の方と相談してみます。」
「あ、ありがとうございます。」
その間に渡す資料を準備しました。
数分後、上司っぽい人が来てくれました。
「以前来たことはありますか?」
「あります。」
「担当者の方の名前は?」
「うーん、分からないです。」
「ちなみに日付は?」
「○月△日です。」
「かしこまりました。」
と労基の方が離席し、資料を取ってきました。
「今回はどういったご用件で」
「前回と同じなのですが、今回は証拠を取れたので正式に通報に来ました。」
(以下残業代が少なく出ている話と他の人はタイムカードを切らせないで残業代を把握させないでいることを話す。)
労基「かしこまりました、それでは今からできる手段を2つお話します。」
長くなっちゃうので要点だけ
1つ目:名前を出して申し立てを行う。これによって一週間以内に会社に立ち入り調査が出来る。
2つ目:匿名で情報提供という形に収める。しかし、監督署任せになるので、いつ調査があるのか、調査の結果どうなったのかが分からない。
名前を出さなくていい例を知っていたので、なぜ名前を出すのかと聞くと、そっちの方が会社側が逃げられない、拘束力が高いからとのことです。
「ダラダラ喋っていて仕事はしていない」と言い逃れをする会社もあるそうです。
「では1つ目でお願いします。」
「かしこまりました。あ、その前に、一度会社の方に残業代の請求をしてください。そして相談したという証拠を残してください。そうすることで、調査がスムーズになります。会社側も「そんな話聞いていない」と言い訳をして応じない可能性があるので。」
「分かりました、では本日は通報は出来ないですか?」
「はい、そうなっちゃいますね。」
「では会社の方に一度相談し、応じないということであればまたお伺いします。」
匿名で情報提供をお願いし、話は終わりました。相談と情報提供は並列してできるそうです。
今後
通報は出来なかったものの、自分にまだ被害のない残業代未払いの話も含め、前回よりも話を聞いてくれました。
最後に、この会社には命は救われた訳ですし、勤めていたいです。名前を出して通報はしたくないですし、入社一か月目で会社に文句を言うなんて、とても生意気なことも十分承知しています。結果として「じゃあ定時20時にするから」と悪くなる可能性だって考えられます。
それでも、この通報で職場の環境が少しでもよくなると信じています。賭けです。この賭けが良い方向に出ることを祈ってます。
それではよい令和を!
反省会
当時書いた文章はここまで。結局この会社はクビになります。悲しいなぁ。
さて、反省をしましょう。
残業代が出なく、このことに対していま自分ができること...そうだ!労基相談!という考えに当時の自分は至ったわけですが、今僕が当時の自分にアドバイスするなら
・孤軍奮闘は良くない、もっと多くの人に相談するべき。
・残業代を請求するのは正しいんだけど、もう少し待っても良かったんじゃない?
の2つ、リスク(名前が相手方にバレて今後昇進できなくなるor仕事が振られなくなる)に対してリターン(残業代)のバランスが取れていない。
そして味方につけられる人がいたなら味方につける。これではただの外部から来た人間が文句を言っているととらえられてもしょうがない。
少し心残りだったのが
・その会社で得られることを考えるべきだった
何度も書くけど残業代は2年前まで請求できる、もしかしたら社内環境を改善したってことで他の会社に評価されて転職がスムーズに行くかもしれない。
そして将来どうのこうの考えているより、今の業務に集中している社員のほうがいいキャリアを歩めるなんて研究もある。
2年間ほど勤めて、もうだめだと思ったら相談に行くべきだったかもしれません。
人生、改善の余地がありすぎる。
当時の振り返りをしつつ、反省をしてみました。誰かの参考になれば幸いでございます。