全国の先の見えない休職者に告ぐ...
今回は3年以上も前ですが3社目の休職をしていた時のお話。
休職していた時に、会社から「復帰しねぇんだったら自然退職にするぞ」と脅された（？）件がありまして、その時に粘ってなんとか自然退職を阻止したので共有したいと思います。
病気になってしまい、会社を辞めないで休職するメリットとかご紹介します。
お品書き
そもそも休職した会社に居続ける理由はあるのか
「会社が嫌ならすぐやめろよ」
「病気の根源と距離を置かないとかマゾヒストなの」
と声が聞こえそうですが、会社に居続けるといいこともありまして
・病気が理由で休職しているなら傷病手当金がもらえる（ただし、傷病手当をもらっている場合、会社と争うと負ける可能性がある。傷病手当はあくまで業務外で病気になった場合と前置きがあるため）
・就職した体で転職活動ができる（休職を面接官に伝えると落ちるのでご注意）
・会社に戻るのに抵抗がなければ医師の診断によってそのまま復職が可能
と最低限の生活の保障されるメリットがあります。
デメリットとしては
・嫌な会社と連絡を取らないといけない
・社会保険料を支払わないといけない
が挙げられます。そのデメリットと天秤にかけてみて上回るのであれば辞めずに休職する手を取るべきではないでしょうか。個人的な感想ですが傷病手当がもらえるだけで気が楽になります。
ちなみに休職した情報は転職先にはばれません。ばれるとしたら入社後に源泉徴収票の提出を求められたときぐらい（金額が少ないと疑われる）。
ですが源泉徴収票の手続きをする人と面接をした人が同じ可能性は人数1桁の企業ぐらいでしか考えられません。
これだけいい点がありますが、中には休職者が気に食わず、退職を迫るところもあります。奇遇にも3社目がそのような会社でして、自己都合退職となりますなどと勝手に話を進められました。
法的根拠を挙げて戦え
ですがここは法治国家。そのような会社には法律や過去の判決例を挙げて徹底抗戦しましょう。今回判例を載せているので参考にしてください。
個人情報もありますので若干話を変えています。変なところもありますがご了承ください。
また法律の専門家ではないので法律の観点でおかしな点もあるかもしれません。
それではどうぞ。
休職開始
ざっくりとした要約
・働いていたら辞めた従業員と何かあったらしく社長から問い詰めを受ける
・すごい時は半日ほど監禁される
・気がおかしくなり休職した
次第になってしまいました。気になる方は3社目の退職エントリ読んでください。
DUEL1 復帰のめどは立ちそうですか
休職してから3週間ほどたった時
その後病状はいかがでしょうか。
復帰など目処立ちそうですか？
状況を教えていただけますと幸いです。
と連絡が。ちなみに送った診断証には「3か月ほどの休みを要する」と書いてありました。3週間じゃねぇ3か月だ間違えるな。
ってのも休職通知書に定期的に連絡を取るよう書かれている場合もあります。なので返信を怠っていると「返信がないので退職扱いにします」なんて話に持っていかれる可能性も・・・。ちなみに僕の通知書には書いてありませんでした。
診断証にこう書かれているからこれに従ってくれ。と返信しましょう。
お世話になります。
先日病院に行きましたが、お医者さん曰く診断書の通りこれまで通り3か月ほどお休みを頂ければと思います。
ﾖｼ！
DUEL2 期日が近いから自然退職ね
んでしばらくした後こんな連絡が
そろそろ色々な意味でお互い考えた方が良い段階なのかと考えております。
もし可能なら今月中に一度話をすることは出来ますでしょうか。
この社長、業務でも話をぼやかし「悟ってくれ」と言っているように聞こえるため「悟社長」と呼ばれている。
そして主語をでかくするのでこのような発言があると（この文章で言うなら「私→お互い」）裏で「でた、主語神」と従業員の間で話題になる。
そのときまだ体調がすぐれていなかったので
体調の都合上できません。
ご対応できず申し訳ございません。
とだけ返信した。
すると
今月末という話でしたので、通常休職期間満了での退職となってしまうようです。
ご検討よろしくお願いいたします。
なんで他人事なんだよ、まあ他人事か。
まだ体調が悪く、復職できる気配ではなかったのでこんな感じで返した
以前診断証は必要かお伺いした際に休職期間満了という話もなく、返事がなかったので診断証は再発行しませんでした。
それでも通常休職期間満了になるのでしょうか。
んでしばらくして。
来月末を限度に休職期間を延長します。
と休職通知書が届いた。
当時精神状態もよくはなっていたけど、法律について調べてなかったしクビになったら収入先がこれからどうなるのか不安で不安でしょうがなかったのを覚えている。
DUEL3 真の期日が近いから自己都合退職ね
状況などお聞かせください。どうぞよろしくお願いします。
休職通知書に書かれた期日が迫ってきた。もう年貢の納め時か・・・と覚悟を決めかけたとき、いやまだ救いがある、まだ行ってないところがあるじゃん。とある場所を思いつきます。
労働基準監査署
はい、労働のことなら何でもお任せ。労働基準監査署でございます。
ここで最後の救いを求める。
自然退職にする根拠がないなら解雇にするしかない
状況を説明したら
・就業規則に書いてないなら解雇するしかない
・仮に解雇した場合、納得いかなかったらあっせん制度や弁護士雇って労働審判起こす手段もある
・なのでとりあえず自然退職にする根拠を聞け
と回答をいただいた。あーよかった安心した。
てなわけで根拠を聞くことに
じゃあ根拠を聞こうじゃないか
家に帰って
自動退職ということでしたが、就業規則のどちらの記載に該当するのでしょうか。
と藁にも縋る思いでメールを送った。
社：規則はないよ
就業規則上は休職という制度はございませんので、出社できない場合連続欠勤にあたります。出社できなければルール上自然に退職扱いになります。
根拠はどこだって聞いてんのに根拠を示さないんかーい。俺はそのルールがどこだって聞いているんだYo!
社内のパワハラが原因で休職した人を自然退職にすると・・・
さらに調べると、休職期間が終わった社員をクビにして賠償金を支払った例があったりした。
参考記事
休職処分及び休職期間満了による退職処分の有効性～静岡地裁平成26年7月9日判決～ニューズレター 2015.6.vol.42 | 労務・労働問題│弁護士法人ALG法律事務所
内容をざっくり説明すると
・社内のパワハラが原因で休職したひとを退職させたところ
・降格処分や退職処分は無効であると未払賃金4,593,805円等を請求された
・結果休職期間中・退職処分後の未払賃金（労災給付を控除）等の請求、安全配慮義務違反に基づく慰謝料50万円等の請求が認められた。
自分に状況がかなり近い。これだ！
根拠が出そろったので胸をなでおろした。
根拠は出そろった
ってなわけでこんな連絡をした。
ご丁寧に解説ありがとうございます。休職制度がない場合解雇にする必要があると思います。
休職は義務ではない｜就業規則の規定例 - キノシタ社会保険労務士事務所
ちなみに過去には休職期間が終わった後退職させて、会社側が賠償金を支払った例がございます。
休職期間満了時における解雇や退職とは？注意点も解説｜企業法務弁護士ナビ
ここでは就業規則の記載があれば休職期間終了後の解雇、退職は適法としています。ですが
「しかし、退職強要やセクハラ、パワハラ、長時間労働、などによる精神疾患で休職となった場合は、例外になります。」
と記載があります、私の病気は社長と私との人間関係のトラブルから発症したので例外に該当するはずです。
本当に安堵した、無知だと利用されると思った。
後がなくなった社長
さあどんな返信が来るのか、まだごねるのか？と思っていたら
業務上必要な注意を行った事はありますが、どのような事を指していらっしゃいますでしょうか。
なるほど、人間関係のトラブルは本人が把握していないっぽい・・・・って話を把握できていなかった当時の自分はひたすらおかしいと思った箇所を羅列した
ルール上自然に退職扱いになります
の「ルール」がどのルールを指しているのか（社会的な概念なのか）、どのような理由で「自然に退職扱い」になるか分かりませんでした。
あやふやな理由で自然退職にしてしまうと、静岡地裁平成26年7月9日判決にある通り[4,593,805円+慰謝料等々]の賠償金を支払った例があります(https://www.avance-lg.com/news/news_vol42.html)。
お互いに不幸になりますので穏便に済ませたいと考えています。
と返信した。すると
私との関係のトラブルとは何の話をおっしゃっているか聞いています。どうぞよろしくお願いします。
と帰ってきた。ですよね。
お世話になります。
納品がうまく行かなかったことで嫌味を言われた件
指示が曖昧で理解できなかったことに嫌味を言われた件
インターンの方と連絡を取れなかったことに対する文句を言われた件
指示が曖昧で理解できずそれを伝えたところ誤って伝え、その件で文句を言われた件
毎日呼び出され、隠し事がないか尋問された件
になります。特に最後の呼び出しの件については一番精神的に来ております。
社長から見たらろくに仕事せず休職した人間だと思われるのも仕方ありません。ですが病院で診断書も出たので変えられない事実だと思います。
はい、こんなかんじで返信をした。
すると
弊社規則にない休職は認めても良いですが、
ご自分の将来についても前向きに考えて進まれる事をお勧めいたします。
と嫌味ったらしく返信がきた。こうして傷病手当を勝ち取ったのである。
今
この件が起きてから3年以上たちますが、病気も治り、この会社も辞め、なんだかんだでとても順調です。
ワンマン社長のもとには就職はおすすめしないぞ！お兄さんとの約束な！
参考
この記事の元となった記事
